AIと僕の音楽:なぜ「オリジナル」と言えるのか?

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YouTubeのコメント等で『オリジナルですか?』と聞かれることが増えました。
その問いについて深く回答したいと思います。

僕の音楽作品はAIを使っています。
正直なところ、完全にオリジナルで楽曲を作っている人がいて、創作業界においてAIは敵だと認識する人、忌避感を感じる人も多い中引け目も感じる事が多々あります。

事実そうなる気持ちもすごくわかるし、最初僕もそんな気持ちがありました。
AIを使うことに当初は戸惑いもありましたが、今ではこのツールが僕の音楽的表現を広げる不可欠な存在になったと断言できます。

その理由は5つあります。

1つ、詩の内容に注力して作品を沢山だしていきたいから
2つ、完全オリジナルはMarbleで作っているから
3つ、AIを使っても同じ作品は生まれないし、大変な面もあるけど新しい可能性を広げたいから
4つ、色んなジャンルの音楽が好きだから
5つ、主張したい事や綴りたい景色が沢山あるから

それぞれの内容について思いをちょっと書きます。

1つ目:詩の内容に注力して作品を沢山だしていきたい

完全なオリジナルの楽曲を作ろうとすると、僕の場合1つの作品をつくるのに1ヶ月も3ヶ月もかかってしまいます。初めて作った曲は半年かかりました。これは作品を沢山作ったりして技術力をあげていけば、かかる時間というのは短縮できるでしょうし、プロの音楽作家である中田ヤスタカさんやヒャダインさんなんかは1時間から3時間あれば1曲作れるみたいです。しかし僕の場合二人とは築き上げたキャリアもステージも違うので、同じことをしようとしてもかなり無理がある。僕に残された時間はそんなに多くないくせに、作品として作りたいものが沢山ありました。

2つ目:完全オリジナルはMarbleで作っている

このままの意味で、別で活動している音楽グループMarbleでは完全オリジナルの作曲もしています。正直AI作曲ではなく完全なオリジナルの楽曲も作りたいという気持ちも、いちクリエイターとして持っています。その時はMarbleの名義でだしているので、kogkaのソロ作品としてはオリジナルで作る必要性がないという事。

3つ目:新しい可能性を広げたい

3つ目の理由、AIを使っているからといって同じ曲は生まれないし道具として僕はAIを正しく使ってその可能性を活かしたいと思ったからです。当然AIが生まれた以上、そのベースとなっている作品が多数存在していると思います。また、実際数多くAIを使って作品を作っていますが、この曲なんかあの作品に少しにてるな…と思うこともたまにあります。ですが、僕の中ではパクリといえるほどの内容ではないと思えるし、歌詞が完全なるオリジナルで、メロディラインを無視した詞先で作っているので他の作品と似通った作品になってないと思っているからです。
それに、どうもAIを悪用している人が多くいて、それがニュースになるからAI=悪のイメージが強くありますが、どんな要素にも陰と陽があるものと同じだと思います。
これはよく例えに出てきますが、包丁という道具がそうですよね?包丁は正しく使えば美味しい料理が作れる便利なアイテムです。でも人も殺そうと思えば殺せる道具でもあります。
包丁はその両側面をもっているのに、料理を作るためのものとして定着していますよね?
結局道具というのは「正しく使えるのか?」という事に集約されているのだと思います。
これは今後どのような使い方をする人が多くなるのかによって変わると思いますが、少なくとも僕はこのAIを正しく使って、良い作品を作りたいという思いがあります。

4つ目:色んなジャンルの音楽が好き

4つ目の理由、僕は特定の音楽ジャンルが好きというわけではなく、色んなジャンルの音楽が好きです。ロック、アニメっぽい曲、V系、J-POP、K-POP、エレクトロ、EDM、CITYPOP、80年代、90年代、AcidJAZZ、インストからなにからかにまで。上げだしたらきりがないくらい色んなジャンルの曲が好きです。そんな音楽を沢山つくりたいと思っても、その技術を僕は持っていない。だけどAIを使えばそれを叶えてくれるんですよね。しかも僕が作った歌詞を使って作れるんです。すごくないですか?

5つ目:主張したい事や綴りたい景色が沢山ある

5つめの理由、僕は詩を趣味で沢山書いてきた人です。過去には詩だけをSNSで乗せた事がありましたが、どれも泣かず吹かずの結果で、詩だけで誰かの心を動かす作品を作るのは難しいんだ。僕にその才能はないんだと思いました。大した活動を続けた理由でもないのにすぐ諦めてしまいました。それでも詩を何かあれば書いてきたんですが、ある種病気かなと思うレベルです。日記の代わりに詩を書くっていうのがずっと続いていたんです。

で、その当時に思ったのが、詩というのはメロディに乗って作品としての力が二倍になる。だから音楽にしないとだめなんだと思っていました。それを今AIを使うことで比較的カンタンに叶える事ができている。

これらの理由が僕がAIを使って作曲をしている理由です。

AI作曲も簡単なようで簡単じゃない

でも僕的にはAI使ってるから簡単なんだろ?って思ってほしくないという気持ちがあります。
当然、歌詞を入力して、どんなジャンルの曲を作りたいかを指定して呪文を入力してボタンをぽちっとしたら作品は出力されます。だけど僕はそれをそのまま使いません。なぜか?

1.一発でこれはいい!と思う作品がでてこない
2.微調整して自分の好きなボーカルに歌ってほしい
3.音圧や歌詞の微妙な破綻を調整して手を加えたい

この3つの理由から、沢山のポイントを消化してベースとなる一曲を作ります。
AIAIと言ってますが、僕が使ってるAIはSUNOAIというAIです。たまにUDIOも使います。
この2つは月額課金をしたら商用利用もしていい作品が出力できます。メインで使っているSUNOは毎月2500ポイント付与されて、それを1月の間使えるというシステムです。
1曲だすのに、2曲分出力され、10ポイント消費します。なので、1月に250曲は作れるんです。
1月に250曲作れるといっても、歌詞は完全にオリジナルでやってるし、僕のレベルでは250曲分の詞を1月に作ることはできません。でも2500ポイントは全て使い切っています。
月によって変わりますが、1月で作っている楽曲数は20曲~30曲あるかないかです。1曲平均9回の試行回数を重ねている事になります。実際は1,2回の試行回数でこれはいい!っていう作品ができることもあれば、50回試してもうまくいかないものも沢山あります。
250曲分、1回で2個出力されるので実質500曲でてますが、月間470曲は没にしています。

その基準ってなんだ?って思うかもしれませんが、僕が聞いて「いいと思えるかどうか」です。
そのフィルターを通して、まずベースとなる曲をだすのです。

そしてそれはそのままアップロードしません。ボーカルの声が気に食わなかったり、歌詞が破綻してる箇所があったりするので、DAWを使ってわざわざボカロボーカルに編集します。結構めんどくさいです。でも、好きなボカロで歌ってもらえるので完成したら満足感があります。
そしてついでに音圧を上げます。この辺はDAWでもAIを使ったシステムを使ってます。

そうしてようやく1曲がでてきます。
SUNOでベースとなる曲を出力するとき、こんな音楽ジャンルがいいだろうなと思うものを指定し、色んなプロンプトを試します。プロンプト指定だけじゃうまくいかないことが多いので、適宜歌詞を調整したり、行間やら構成、色んなものをそこで調整します。

でも完全オリジナルで作ってる作品と比較すればAI作曲は簡単だと言えるかもしれませんね。Marbleで作っている完全オリジナルの楽曲は1つ作るのに一ヶ月かかってますから💦

AI作曲でもオリジナル

でも僕はこの点を踏まえて、自分の曲がオリジナルで作った曲ですか?と聞かれた時、「オリジナルです」と言うんです。

僕にとってのオリジナルとは、AIというツールを使いながらも、僕自身の感性、詩、そして試行錯誤を経て生み出された唯一無二の作品であると考えています。

包丁使ってるからオリジナルじゃないだろっていいませんよね?
包丁使って自分で作った素材を用意して料理してるので、僕はオリジナルだと思ってるんです。

でもその感覚はあくまで僕が持っている感覚だし、その考えを強要するつもりは一ミリもありません。色んな考え方があると思うし。

なんとなくですが、僕の音楽を気に入ってもらったのにAIで作った音楽だったのかよ。とがっかりしている人がいるかもしれない・・・でもAIを使ってるからといって簡単に作品を作ってるという理由じゃない事を知ってほしいという気持ちがあったので、この文章を書きました。

今日ちなみに1曲つくるのに500クレジット消えました。99曲没にしてベースとなる1曲生まれたのですが、それだけで12時間使ってます。でも僕的にはいい感じの曲が出来たと思っています。

ここからボカロにするのに数時間。MVを作るのに数時間。アップロード、SNSで告知などで数時間。と時間を使っていくわけです。

まぁあくまでも僕のやりかただとこうなるというだけなので、もっと効率よくやってる人もいるかもしれませんが。

ということで、やっとタイトル回収をさせてもらいますが、僕の作った曲はオリジナル曲です。

これからもAIと共に、僕だけの音楽を生み出し続けていきますので、ぜひお聴きいただけると嬉しいです。

こじか

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